悪性卵巣腫瘍の再発防止による長期生存率改善の研究

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06454470
• 研究機関: 名古屋大学
• 研究代表者: 友田 豊 名古屋大学, 医学部, 教授 (60023769)
• 研究分担者: 水野 公雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (40252241) ; 吉川 史隆 名古屋大学, 医学部, 講師 (40224985)
• キーワード: 卵巣腫瘍 / 再発 / MMP / ザイモグラフィー

研究概要

卵巣癌は組織型が多彩で治療成績の向上を目指して研究、解析するには多数例の集積が必要である。名古屋大学産婦人科と関連病院よりなる東海卵巣腫瘍研究会は、卵巣悪性腫瘍に対して共通の科学療法プロトコールのもとで、1979年より現在までの14年間に1292例の症例に対して治療を行っており、我々の研究会の症例数は欧米の研究グループと比較しても遜色ないものである。1986年から1989年のPVBとCAP療法の生存曲線を比較するとPVB療法がCAP療法よりも有意に優っていた(p<0.05)。24ケ月までは差が広がるものの以後は平行に両群ともに生存率が下降していた。即ち、卵巣癌においては特に初期治療が重要であると思われる。組織型では粘液性、類内膜、漿液性、明細胞の順に予後良好であった。手術時に採取した癌組織のリバースザイモグラフィーでは28、21kDのTIMP-1とTIMP-2が認められ、正常組織と比べるとTIMP-1が優位であった。MMPではMMP-2,MMP-9ともに認められるがMMP-9が癌組織では優位であり、正常組織では逆にMMP-2が優位であった。従って、癌の湿潤・転移にはTIMP1とMMP-9が深く関わっていると考えられた。現在、浸潤・転移抑制物質を検索中である。

研究成果

• [文献書誌] M.Kawai: "Stage I Epithelial Ovarian Cancer-Adijuvant Chemotherapy and Progrostic Factors." J.Exp.Clin.Cancer.Res.13. 77-81 (1994)
• [文献書誌] F.Kikkawa: "Recurrence of Epithelial Ovarian Carcinoma after clinical Remmision." Gynecol Obstet.Invest. 32. 65-69 (1994)
• [文献書誌] N.H.Obata: "Effect of KN-62,Ca^<2+>/Calmodalin-deperdert protein kinase II inhibitor,on odriamycin-resistance of human ovarian cancer cells." Biochem.Biochm.Biophys.Res.Commun.215. 566-571 (1995)
• [文献書誌] K.Tamakoshi: "Clinrcal valve of a new serum tumor marker,CA125 II,in gynecologicdisese : comparison with CA125." Gynecol.Obstet.Invest.39. 125-129 (1995)
• [文献書誌] F.Kikkawa: "Prognostic evaluation of lymphadenectomy for epithelial ovarian cancer." J.Surg.Oncol.60. 227-231 (1995)
• [文献書誌] K.TamaKoshi: "Characterization of extracellular matrix-degrading proteinase and its inhibitor in gynecologic cancer Tissnes with clinically different metastatic forms." Cancer.