研究課題/領域番号 |
06454470
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
友田 豊 名古屋大学, 医学部, 教授 (60023769)
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研究分担者 |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学部, 助手 (30262900)
吉川 史隆 名古屋大学, 医学部, 講師 (40224985)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 卵巣腫瘍 / 再発 / MMP / ザイモグラフィー |
研究概要 |
PVBとCAP療法の生存曲線を比較するとPVB療法がCAP療法より有意に優っていた(p<0.05)。一方、寛解症例における無病率曲線では有意差が認められなかった。また、24ヶ月までは差が広がるものの以後は平行に両群ともに生存率が下降していた。すなわち、卵巣癌においては特に初期治療が重要であり、いかに寛解に持ち込むかが基本である。登録された粘液性腫瘍、90例、漿液性腫瘍、56例、類内膜腫瘍、4例の150例の境界悪性腫瘍を解析した。I期症例は125例を占め52例で妊孕性温存術式が採用された。術後も1期症例には積極的な化学療法は施行されなかったにもかかわらず全例生存している。従って、I期症例には術後化学療法は必要がないと思われる。一方、II期以上の25症例のうち9例が死亡しており、術後の化学療法が必要であると考えられる。我々の解析では進行症例に対してシスプラチンを中心とした化学療法は有効であると思われる。しかしながら粘液性腫瘍においては粘液性嚢胞腺癌と同様に効果は乏しく漿液性腫瘍との間に有意差を認めている。手術時に採取した卵巣癌、子宮体癌、卵巣癌をザイモグラフィーで調べると正常組織に比べて著明にMMPの分泌が亢進しており、特にMMP-9は正常組織ではほとんど認められないにも関わらず癌組織では著明であった。更に、リバースザイモグラフィーでは癌組織でTIMP-1の分泌亢進が認められ、MMP-9とTIMP-1が癌の浸潤に深く関与していると考えられた。癌の浸潤・転移の相手先である腹膜、卵巣、子宮筋も同様に調べたところ、腹膜では正常組織には珍しくMMP-9を分泌していた。これらの正常組織培養上清を卵巣癌細胞株に添加すると同様に腹膜でMMP-9、卵巣でTIMP-1が強く誘導された。また実際の浸潤能は腹膜がもっとも強く増強し腹膜が癌の浸潤に強く関わっていると推察された。
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