研究課題/領域番号 |
06454474
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
寺川 直樹 鳥取大学, 医学部, 教授 (90163906)
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研究分担者 |
石原 浩 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (80252865)
皆川 幸久 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (70190692)
紀川 純三 鳥取大学, 医学部, 講師 (00177784)
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キーワード | 子宮内膜癌 / 増殖抑制 / 血管新生阻害剤 / プロゲスチン / 併用療法 |
研究概要 |
(1)ヒト子宮内膜癌ECC-I細胞をエストロゲン刺激下の雄ヌードマウス頸部皮下に移植し、その2週後に平均腫瘍径が8.0±0.2mmに達した時点で、血管新生阻害剤TNP-470(TNP)とプロゲスチンMPAによる治療を行った。治療開始6週後の腫瘍の平均径は、無治療の対照で15.2±0.5mm、TNP(30mg/kg/日、2日毎)単独投与で11.0±1.8mm、MPA(10mg/kg/日、2日毎)単独投与で11.4±2.2mm、TNPとMPAの併用投与では10.2±1.1mmとなった。この時点より治療開始10週後までの観察期間中、TNP・MPA併用治療群における腫瘍縮小効果は対照群に比して有意となった。したがって、作用機序が異なると考えられるTNPとMPA併用による内膜癌治療の可能性が示された。 (2)MPAの血管新生阻害機序を知るため、牛肺動脈血管内皮細胞(CPAEcell)の増殖とCPAEcellのプラスミノゲンアクチベータ-分泌に及ぼすMPAの作用を検討した。2.5×10^4細胞のCPAEをFCSを含むEagleMEMで培養したのち、10^<-9>〜10^<-6>MのMPAを添加して72時間培養し、細胞数をカウントした。その結果、MPAはCPAEの増殖に影響を及ぼさなかった。培養CPAE細胞にMPAを24時間添加したのち、培養上清を集めてプラスミノゲンアクチベータ-活性を測定した。その結果、MPAは活性を著しく(50%以上)抑制した。プラスミノゲンアクチベータ-は不活性型コラゲナーゼを活性化させるが、内皮細胞の血管新生に際して重要であると考えられている。したがって、本活性の抑制がMPAの血管新生阻害作用に関与することが示唆された。
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