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1994 年度 実績報告書

免疫学的習慣流産の診断及び免疫療法の対象設定のための臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454478
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

八神 喜昭  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20079974)

研究分担者 梶浦 詳二  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70233715)
青木 耕治  名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50175725)
キーワード習慣流産 / 免疫療法 / 免疫学的パラメーター / 診断
研究概要

免疫学的原因による反復流産患者選択のパラメーター確立について検討をおこなってきたが、NK(natural killer)細胞活性が最も有用なパラメーターであるとの結果を得た。その検討結果を以下に提示する。
1、2回の自然流産歴があり、生児のいない反復流産患者68名(平均年齢30才)および既往流産歴の無い非妊健常女性47名(平均年齢29才)に対して^<51>Cr release assay法を用いてNK細胞活性を測定し、比較検討した。その結果は反復流産患者のNK細胞活性(mean±SD,39.4±12.7%)は、非妊健常女性のそれ(29.0±12.8%)に比べて、有意に高値であった。(p=0.00004)
2、次に68名の反復流産患者について、次回妊婦帰結とNK細胞活性の関連性について検討をおこなった。尚、それらの妊娠に関しては、無治療にて経過を観察した。NK細胞活性の高レベル群(非妊健常女性のmean+1SD以上、42.0%以上)は24名、正常レベル群(42.0%未満)は44名であった。
高レベル群の流産率は71%であり、正常レベル群の20%に比較して有意に高値であった。(p=0.00007;relative risk,3.5% CI,1.8-6.5)
以上より、妊娠前のNK細胞活性は、その後の妊娠帰結を予測する上で非常に有効なパラメーターであるとの結論を得た。(NK細胞活性は免疫学的拒絶反応の主役をなすものであり、妊娠前にそのレベルが高い場合、妊娠維持に不利に働くと考えられる。)現在、このNK細胞活性を診断パラメーターとして反復流産患者の管理・治療にあたっており、データを集積中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Koji Aoki: "Worldwide collaborative observational study and meta-analysis on allogenic luekocyte immunotherapy for recurrent spontaneous abortion" American Journal of Reproductive Immunology. 32. 55-72 (1994)

  • [文献書誌] 青木耕治: "妊娠の成立と免疫" 周産期医学. 24. 1208-1212 (1994)

  • [文献書誌] Koji Aoki: "The effectiveness of allogeneic leukocyte Immunization in unexplained primary recurrent spontaneous abortion" American Journal of Reproductive Immunology. 32. 294-302 (1994)

  • [文献書誌] Koji Aoki: "Clinical evaluation of immunotherapy in early pregnancy with X-irradiated paternal mononuclear cells for primary recurrent aborters" American Journal of Obstetrics and Gynecology. 169. 649-653 (1993)

  • [文献書誌] 八神喜昭: "不育と免疫" 産婦人科の実際. 42. 1965-1968 (1993)

  • [文献書誌] 八神喜昭: "反復流産における母体免疫" 細胞. 24. 562-565 (1992)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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