研究課題/領域番号 |
06454488
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柳原 尚明 愛媛大学, 医学部, 教授 (40025581)
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研究分担者 |
比野平 恭之 愛媛大学, 医学部, 助手 (00238320)
村上 信五 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80157750)
湯本 英二 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (40116992)
暁 清文 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00108383)
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キーワード | 顔面神経麻痺 / ベル麻痺 / 単純ヘルペスウイルス / PCR / マウス / 免疫応答 |
研究概要 |
1.<臨床的研究> ベル麻痺の治療法の一つである顔面神経減荷手術時に患者より直接採取した顔面神経液やその支配筋である後耳介筋から、polymerase chain reaction(PCR)を用い高率にヒト単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)のDNAを同定した。この方法ではハント症候群や他のコントロールより採取した組織からはHSV-1のDNAは同定できず、、HSV-1がベル麻痺に特異的なウイルスであることが確認された。この研究によりこれまで不明であったベル麻痺発症の病因としてHSV-1の関与を初めて明らかにした。 2.<基礎的研究> 我々はBalb/cマウスの耳介にHSV-1を接種することにより一側性一過性の顔面神経麻痺を発症させることに成功しており、ベル麻痺のモデル動物として報告してきた。本年度はこのモデル動物に対し、ウイルスの感染動態と麻痺発症への免疫の関与を検討した。マウスの週齢別検討で顔面神経麻痺発症率と抗体価に差がみられたことから、免疫能が顔面神経麻痺の発症に関与していると推測された。PCRによるHSV-1感染動態の結果から、麻痺発症にはHSV-1の顔面神経への感染が必須であると考えられた。免疫移入の結果と考え合わせると、blood-nerve barrierの存在により神経内にウイルス感染が成立すれば末梢免疫には麻痺抑制効果がなく、麻痺発症機序としてHSV-1による顔面神経の直接障害が示唆された。
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