研究概要 |
先天停止性夜盲(CSNB)の不全型の視機能異常のメカニズムを検討するため暗所閾値電位、錐体、杆体の干渉現象、錐体.色素のkineticsに関する研究を行った。 1.暗所閾値電位(S・TR):4例の不全型CSNB,2例の完全型CSNBそれに4例の正常眼のSTRとrod b-woavを比較した。完全型CSNBでは、STR、rod b-waveともに消失していた。不全型CSNBでは全例にSTRは記録されその振幅は正常であったが、頂点時間の著しい遅延がみられた。閾値近くのrob b-waveの振幅、頂点時間はいずれも正常であった。以上より完全型CSNBではrod-b-waveを生ずるインパルスかon型双極細胞にまで届いておらずrod b-wave,STRともに消失しているのに対し不全型CSNBではon型双極細胞まではインパルスが届いているがそれより中枢の杆体視路に異常があり、STRの異常が示されたと考えられた。 2.自覚的測定法で測定した網膜(後極部)の5ケ所の部位からは多くの不全型CSNBでは錐体、杆体の干渉現象がみられた。 3.錐体色素のkineticsは中心穿錐体(10)をdensitometerを用いて測定した。不全型CSNBでは正常のkineticsが示された。
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