研究分担者 |
池田 英子 久留米大学, 医学部, 助手 (70222875)
小野 綾子 久留米大学, 医学部, 助手 (30224265)
疋田 直文 久留米大学, 医学部, 講師 (80173152)
岩城 陽一 久留米大学, 医学部, 講師 (70203354)
佐川 公矯 久留米大学, 医学部, 助教授 (20140650)
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研究概要 |
HTLV-Iぶどう膜炎患者2名の眼内液および末梢血からT細胞クローン(TCC)を限界希釈法により樹立した。これらのTCCの細胞表面マーカーをフローサイトメトリーで測定したところ、フェノタイプはCD3^+CD4^+CD8^-CD19^-CD25^+の活性化Tリンパ球であった。さらに、患者眼局所からのTCCのHTLV-IプロウイルスをPCR法で検討したところ、約半数のTCCはHTLV-IプロウイルスDNAが陽性であり、またウイルス遺伝子の発現がRT-PCR法により確認された。さらに、ウイルス関連タンパクの産生発現をウイルス関連タンパク単クローン抗体を用いた免疫染色法で測定したところ、HTLV-Iプロウイルス陽性のTCCはHTLV-I関連タンパクを発現していた。さらに、HTLV-I陽性TCCのひとつを電子顕微鏡で検査したところ、直径102nmのウイルス粒子が多数検出された。 以上の結果が本年度の研究で得られたが、これらの結果は、HTLV-Iぶどう膜炎の眼局所にウイルス感染T細胞が存在し、その感染状態が活動性であることを示すものである。さらに、このHTLV-I感染TCCを用いて、各種サイトカイン産生能をELISA法により測定した。その結果、HTLV-I感染TCCのサイトカイン産生の平均はIL-1α(12699pg/ml),IL-2(61pg/ml),IL-3(428pg/ml),IL-6(8358pg/ml),IL-8(1268pg/ml),IL-10(28pg/ml),TNF-α(272pg/ml),IFN-γ(5095pg/ml),GM-CSF(2886pg/ml)と高値を示し、一方、HTLV-I非感染TCCはこれらのサイトカインを産生しないことが明らかとなった。
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