研究課題/領域番号 |
06454509
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗栖 浩二郎 大阪大学, 歯学部, 教授 (50028346)
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研究分担者 |
田畑 純 大阪大学, 歯学部, 助手 (20243248)
加藤 穣慈 大阪大学, 歯学部, 助手 (90243245)
岩本 資己 大阪大学, 歯学部, 講師 (80203644)
脇坂 聡 大阪大学, 歯学部, 助教授 (40158598)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 歯胚 / 肝細胞増殖因子 / 器官培養 / マウス / 形態形成 / 発生 / 組織分化 / アンチセンスオリゴDNA |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(HGF)とその受容体c-Metの遺伝子の発現パターンをラット下顎臼歯の歯胚にRT-PCR法を応用して検索した。in situハイブリダイゼーションでは、HGF遺伝子は歯乳頭の間葉細胞だけで発現していることが明らかになった。HGFとc-Metは、歯の発生において時期および空間特異的な分布を示すことが免疫組織化学的検索で明らかになった。HGFの歯の発生における役割を検索するため、培養歯胚にアンチセンスオリゴDNAを用いてHGF遺伝子の発現阻害を行った。無添加対照群は、胎齢14日の蕾状期マウス臼歯歯胚を、無血清のTrowell培養系で14日間培養した。他のの歯胚は、HGFのmRNAに対する15塩基のアンチセンスまたはセンスオリゴDNAを添加して培養した。無添加またはセンスオリゴDNA添加対照群では、in viroと変わらない正常な組織形態の歯胚が形成された。しかし、アンチセンスオリゴDNA添加群では、エナメル器が薄い象牙質の層と歯乳頭で囲まれた、正常の歯胚とは組織形態が逆転した異常な形態の歯胚が形成された。しかし、エナメル芽細胞と象牙芽細胞の分化は阻害されなかった。アンチセンスオリゴDNAと同時にリコンビナトヒトHGFを添加したレスキュー実験では、対照群と同様の正常な組織形態の歯胚が形成された。この異常形態は、HGFの発現阻害によって生じた内エナメル上皮細胞と歯乳頭細胞の増殖活性のアンバランスが原因となってもたらされたものであることが、BrdUを用いた検索によって示唆された。これらの結果は、HGFが齧歯類の臼歯の形態形成に関与していることを示す。
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