研究概要 |
歯科領域においては骨形成因子(BMP)の臨床応用に向けて活発な研究がなされており,とくに口腔外科あるいは歯周治療領域におけるものが顕著である.さて,歯内療法領域においても,BMPを歯髄組織に応用し,硬組織の形成を試みたものもあるが,あまり詳細な報告は見られない.そこで,我々はBMPを歯髄組織に応用するために,流動性を持ったスクアランにBMPの担体として着目した.そして,これがBMPの担体として機能することを明らかにした.とくに今年度行った研究でスクアランを担体とした場合の骨形成過程について詳細な病理組織学的な検索を行うことが出来その一部は,イギリスにおいて開催された第7回国際口腔病理学会および大阪において開催された第36回歯科基礎医学会において発表することが出来た.しかし引き続き行う予定であったスクアラン・BMP混合物によって形成された骨組織の骨塩定量については,今回の研究費によってシステムを構築した画像解析を用いて行う予定であったが,システムの構築に時間がかかってしまい骨塩定量にまで進めることが出来なかった.今後はこの点を含めて研究を遂行する予定である.これについておよび最適な混合率を追究することは平成7年度に進めることにする.その上で,BMPを歯髄組織あるいは根管に応用し実験する予定である.
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