1 長管骨の伸張には、成長板の軟骨細胞の1)増殖、2)基質形成、3)石灰(肥大)化、4)基質とapoptotic cellの吸収分解、5)骨のリモデリングと骨形成が必要である。軟骨に関して、私たちは成長板軟骨細胞培養系を用いて、1-3)の過程に、多くのホルモンと成長因子が関わっていることを明らかにした。しかし、骨の伸張が正常に続くためには4)軟骨基質分解が1-3)の過程と同速度で同調して進行しなければならない。しかしこの4)の過程を制御する因子は未だ不明であった。 私たちは、マトリックス分解に中心的な役割を果たすmatrix metalloproteinase(MMP)に注目して、成長板軟骨細胞培養系での各種のMMP合成に対する多くの成長因子とホルモンの作用を検討した結果、PTHとIL-1のみがMMP合成を促進することが判明した。IL-1は肥大期のみならずstage-非依存性にMMP合成を促進したのに対して、PTHは肥大期でのみMMP合成を促進した。この結果は、PTHが1-3)の過程を促進しながら4)の過程も促進することにより、成長板軟骨での基質合成と分解を同調しつつそのturn overを亢進させることを示している。 2 コラーゲン結合蛋白RGD-CAPのcDNAをクローニングすることによりその全構造を決定した。 3 コラーゲン結合蛋白の一つであるcartilage matrix proteinを精製して、これが接着因子であることを明らかにした。
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