研究課題/領域番号 |
06454528
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
木崎 治俊 東京歯科大学, 生化学講座, 教授 (60051653)
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研究分担者 |
東 祐太郎 東京歯科大学, 生化学講座, 助手 (80231918)
大西 芳秋 東京歯科大学, 生化学講座, 助手 (60233219)
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キーワード | 歯周組織 / マクロファージ / T細胞 / アポトーシス / 分子機構 |
研究概要 |
歯周組織での炎症には免疫系の細胞(リンパ球)、好中球、マクロファージなどがその病態に重要な役割を担っている。生体には炎症細胞をアポトーシスにより除去し遷延化を防ぐ機構があると考えられる。またグルココルチコイドホルモンは抗炎症作用を持つ重要な生理的なホルモンである。マクロファージは貪食作用のほかに歯槽骨の吸収のトリッガ-となる細胞でもある。そこでマクロファージ培養細胞、マウス胸腺細胞、脾T細胞を用い、DNA切断を指標として、アポトーシスの誘発機構、細胞内伝達機構について検討した。その結果、1)マクロファージのその生存(アポトーシスの抑制)にはチロシンタンパクリン酸化が関わっている。細菌のLPSはそのリン酸化を促進し生存を促進する一つの要因となっている。2)マウス胸腺細胞も末梢T細胞もグルココルチコイドによってアポトーシスが誘発されが、その初期に約30Kのタンパクのチロシンリン酸化が観察され、チロシンリン酸化阻害剤であるherbimycin Aによってアポトーシスは阻害される(歯科基礎医学会発表)。3)タンパクリン酸化阻害のstaurosporineの実験からアポトーシスに関わるチロシンリン酸化が細胞生命の維持に必須のタンパクリン酸化が阻害されると誘導され、しかもアポトーシスの進行にはその後期に別の新たなタンパク燐酸化が関与していると考えられた(Biochem.Int.in press)。4)IL-2に依存性のT細胞(活性化をうけた細胞)では逆に核内のチロシンリン酸化が阻害されるとアポトーシスが誘発された。このタンパク質は細胞核の細胞周期を制御するタンパク質である可能性が示唆され、これらキナーゼ分子とその基質となる分子の同定が次の課題と考えられた。
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