研究課題/領域番号 |
06454530
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 康男 東北大学, 歯学部, 講師 (50005039)
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研究分担者 |
只野 武 東北薬科大学, 講師 (80104082)
田端 孝義 東北大学, 歯学部, 助手 (60005048)
渡辺 誠 東北大学, 歯学部, 教授 (80091768)
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キーワード | ヒスタミン / 筋肉疲労 / 筋肉筋 / ヒスタミン合成酵素 / 顎関節症 / 骨格筋 / ヒスチジンデカルボキシラーゼ |
研究概要 |
(1)マウスの大腿四頭筋と咬筋を電気刺激すると、刺激後6-7時間をピークとしてHDC活性が増加し、電気刺激によるHDC活性の増加は、刺激の継続時間と電流の強さに比例する. (2)強制歩行により、大腿四頭筋のHDC活性は歩行時間に比例して増加する. (3)肥満細胞欠損マウスにおいても、電気刺激によりHDC活性が増加する. (4)抗ヒスタミン剤としてクロルフェニラミン(ヒスタミンH1受容体の遮断薬)と、これまで臨床的に使用されてきた消炎鎮痛薬(プロスタグランジンの合成阻害薬)としてフルルビプロフェンについて、顎関節症患者への臨床効果を比較した.クロルフェニラミンでは、肩こりや頭痛などの併発症状の改善も含め、約80%の患者に対し改善効果が認められた.一方、フルルビプロフェンでは改善効果は約40%であり、副作用の胃障害のため、投与中止のケースも生じた。クロルフェニラミンでは、副作用としては眠気だけであった. これらの結果は、骨格筋の疲労によりHDC活性が筋肉組織に誘導されることを示唆し、また、この誘導に肥満細胞は必要ではないことを示す。さらに、顎関節症に対し抗ヒスタミン剤のクロルフェニラミンは、これまで臨床的に使用されてきた消炎鎮痛薬フルルビプロフェンよりも優れていることを示す.これらのの結果はいずれも、筆者らの仮説を指示するものであり、予想以上の満足すべき成果と思われる.
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