研究課題/領域番号 |
06454533
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
淵端 孟 大阪大学, 歯学部, 教授 (70028728)
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研究分担者 |
実光 章年 大阪大学, 歯学部, 助手 (50263299)
古川 惣平 大阪大学, 歯学部, 講師 (80173524)
岩本 容泰 大阪大学, 歯学部, 講師 (30223431)
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キーワード | 放射線照射 / 成長板軟骨 |
研究概要 |
放射線治療を行う時に、照射野に成長板軟骨が含まれていると、内軟骨性骨形成が障害を受け骨格形成異常が発生する。本研究においてはこのメカニズムを追及するためにin vitroで成長板軟骨の分化を再現できるウサギ成長板軟骨細胞培養系を用いて、成長板軟骨細胞の分化機能発現に対するX線照射の影響を詳細に検討した。 1、昨年度までの研究によりX線照射は軟骨細胞外基質の主成分の一つであるプロテオグリカン(PG)の分解を促進することが判明している。そこで、本年度はPGの分解部位を解析するためにSepharose CL-2Bカラムを用いて検討した。この結果、X線照射はPGモノマーそのものは分解せずに、PGの培地中への移行を促進させることが判明した。次に、X線照射がPGの分解を促進する機構を解明するために、X線照射によって成長板軟骨細胞がマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)産生を誘導するか否か検討した。この結果、MMP-2+9活性は軟骨の分化に伴って上昇したが、X線照射によるMMP-1、MMP-2+9、MMP-3活性の増加はなく、これらのプロテアーゼの活性は軟骨型プロテオグリカンの培地中への放出に関与しないことが明かとなった。2、成長板軟骨細胞の最終分化および石灰化に及ぼすX線照射の影響を検討するために、増殖期終了直後、成熟期、あるいは肥大化期に1から10GyのX線を照射してアルカリホスファターゼ活性、[^<45>Ca]の細胞層への取り込み、およびカルシウム含量を測定した。X線照射は最終分化および石灰化を抑制し、その抑制程度は増殖期終了直後に照射した群において最も顕著であった。
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