研究概要 |
照射光の出力の調整可能な光照射器を試作し、低出力照射によるコンポジットレジン修復の象牙質窩洞における窩壁適合性への影響を調べ、重合度を内部かたさおよび未重合モノマーの溶出量で、機械的強さをダイアメトラル引っ張り強さで評価し検討した結果、以下の結論がえられた。 1.象牙質規格窩洞に光重合型コンポジットレジン(Palfique Estelite,Z-100,Lite-fil IIA)を充填し低出力照射(9V・120秒)によって重合させると良好な窩壁適合性がえられた。 2.ヌープかたさにおいて低出力照射(9V・120秒)では通常照射(12V・60秒)に比べ一部で低値を示したがほぼ同程度の値であり、臨床的に許容されると思われた。 3.ダイアメトラル引っ張り強さでは低出力照射(9V・120秒)と通常照射(12V・60秒)に差は認められなかった。 4.Lite-fil IIAより溶出した未重合モノマーとしてHEMA,TEGDMAおよびBis-GMAを確認した。 5.低出力照射(8V)では照射時間が増えると溶出モノマーが減少した。 6.TEGDMA,Bis-GMAの溶出量は低出力照射(8V)と通常照射(12V)の間に差は認められず、HEMAの溶出量は照射時間が長い(40秒、60秒、90秒)と低出力照射(8V)の溶出量が少なかった。
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