研究課題/領域番号 |
06454538
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
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研究分担者 |
佐保 照之 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10263295)
野崎 剛徳 大阪大学, 歯学部, 助手 (30263304)
平野 裕之 大阪大学, 歯学部, 助手 (40260640)
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (50231361)
村上 伸也 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70239490)
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キーワード | 歯周炎 / T細胞 / CD45R / Porphyromonas gingivalis |
研究概要 |
当研究室では一部の歯周炎患者に於いて歯周病が自己リンパ球混合培養反応(AMLR)により検出される末梢T細胞機能に影響を及ぼす事を報告している。今回T細胞機能を更に詳細に解析する目的でT細胞活性化に関与するT細胞表面分子CD45Rと細胞接着分子LFA-1、CD44分子の発現、及び歯周病原性細菌であるP.gingivalis(P.g.)に対する抗体産生を指標としてT細胞の関与下に誘導されるサブクラス別抗体産生応答を検討した。 成人性歯周炎患者の被験者AMLR値は健常者群に比べてその平均値は統計学的に低い値を示す傾向にあり、健常者の平均値より1SDを下回るAMLR低下患者群の存在が確認された。又、AMLR-低下患者群とAMLR-正常患者群におけるCD4陽性T細胞中におけるCD45RO陽性率に差は認められなかったが、主たるAMLR応答細胞と考えられるCD45RA陽性CD4陽性細胞の比率は有意に低値を示した。CD4陽性細胞中CD45RA,ROについて末梢血と歯肉組織中のT細胞について比較した結果、歯肉組織由来CD4陽性T細胞中ではCD45RO陽性T細胞の割合が末梢血T細胞と比較して高い事が示された。血清中の抗-P.g.抗体価を凍結乾燥全菌体を固相化したELISA法により測定した結果、患者群では全てのサブクラスの抗体価が上昇していた。しかし、どのサブクラスの抗体濃度が最も有意に上昇しているかは患者間で異なっていた。又、IgG1,IgG3,IgG4及び総IgG抗体価は、各種臨床指数との間に有意な相関を示さなかったが、IgG2濃度は罹患歯率や平均プロービング深さと相関した。P.g.とそれに応答するT細胞との関係を更に解析するために現在in vitroでのP.g.抗原に対するT細胞増殖応答を検討している。次年度の研究によりこのP.g.応答性T細胞の特徴が更に明らかになる事が期待される。
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