研究課題/領域番号 |
06454548
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
五十嵐 勝 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (90168104)
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研究分担者 |
宮里 毅 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (00239378)
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キーワード | 歯根未完成歯 / 無髄歯 / アペキシフィケーション / 根尖創傷治療 / 水酸化カルシウム / カニクイザル / 実験モデル作製 / 根尖閉鎖術 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の実験動物に加え、推定年齢約2歳のカニクイザルを1頭追加し、実験歯数の増加をはかった。前年度に得られた結果をもとに実験モデルを作製した後、エックス線写真による経過観察を行い、実験終了後、組織標本作製を行った。 術式としては、昨年度と同様にまず全身麻酔と局所麻酔を行った後、ラバーダム防湿下で髄室開拡を行い冠部歯髄を除去した。残存する根管歯髄の焼灼時は、根管内の温度が過剰に上昇しないよう間歇的に注意しながら行った。その後、根管を開放する感染群と仮封する非感染群に分け、1週間の結果観察を行った。 約1週間後、ラバーダム防湿下で感染根管治療を開始し、根管消毒の後、水酸化カルシウムあるいはFR-Caを根管内に応用した。 実験期間の1、3、5カ月経過後、動物を中性ホルマリン頭頸部灌流固定で屠殺した。固定終了後、20%ぎ酸で脱灰し、アルコール系列にて脱水の後、パラフィン包埋を行った。その後、昨年度の設備機器である電動式ミクロトームにて連続パラフィン切片の薄切を行い、H-E染色を施し光学顕微鏡にて観察を行った結果、次の所見が得られた。 エックス線写真上では、石灰化の進行状況が十分に読み取れ、歯根の継続的成長が観察できた。一方、組織標本での観察では、硬組織の添加が根管内や根尖部にみられたり、また骨様硬組織の添加による歯根の発育が観察された。一方、根管壁の薄い歯では、応用した高周波電流の温度上昇に伴う影響として、しばしば根面の外部吸収や骨性癒着なども観察された。特に歯頸部付近に吸収が多くみられた。
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