研究概要 |
本研究の目的は有限要素法により残存歯や顎提に向かう応力の分布を計算、分析し、現在ある残存歯、顎提にとってどの様な義歯が好ましいかを応力分布という観点から明らかにしようとするものである。 先ず、有限要素法で重要なコンピュータのソフトの選択に関しては、純国産システムとしてわが国最大規模の構造解析プログラムで、しかもWindowsNT版に対応したFINASを選択した。無論、WindowsNT版に対応しているということで解析結果のグラフ化、スライド化も容易であり、非弾性解析法をはじめとする非線形解析が可能であるというのもFINASが本研究の解析に適していると言える。 本研究の最大の特長である部分床義歯症例における石膏模型からの3次元座標の取り込みに関しては現存する接触型の3次元計測装置であるザイザックスを使用する予定であるが、これに関しては未だデータの取り込みは行われていない。その理由としては、FINASの操作に慣れることが先決であり、そのためには先ず2次元模型の解析を行う必要があるとの判断からである。 2次元有限要素モデルとしてはヒト下顎骨第1大臼歯の近心根を含む前頭断面のモデルを作成した。モデルのヤング率(MPa)とポアソン比はエナメル質(84100、0.3)、象牙質(14000,0.15)、歯髄(10,0.49)、歯根膜(10,0.49)、皮質骨(10000,0.3)、海綿骨(1500,0.3)から構成した。負荷条件として咬合面において3点の部位で垂直方向より与えた。拘束条件は舌側の顎舌骨筋線部より頬側の軟組織付着部上縁までとした。結果については、CRT上で動画化されたものや図示されたものが分かりやすい。
|