研究課題/領域番号 |
06454557
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
関根 弘 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10085714)
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研究分担者 |
辻 吉純 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50207370)
嶋村 一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10170961)
岸 正孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085804)
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キーワード | 遊離端義歯症例 / 義歯床沈下量の経時変化 / 適合性試験材の厚径の経時変化 / 咬合接触強さの管理 |
研究概要 |
多くの国民が健やかな老後を送るためには、好ましい咬合を長期に維持し、咬合の破綻に基づく機能障害を回避させる必要がある。とくに、局部的欠損歯列に対して可撤性局部義歯を用いて咬合を再構成した症例について、その咬合を長期に維持させるためには、義歯設計に関する力学的条件に基づく支台歯の過重負担に対する配慮と同時に、残存歯の歯囲疾患の予防のための衛生的な条件の管理とが必要と思われるある。 ここで、義歯によって再構成した咬合を長期にわたって維持するためには、義歯装着後に生じる義歯床の不適合に基ずく支台歯の負担過重を防止することが、とくに重要であると考えられる。そこで、本年度においては、まず、義歯装着後の比較的短期間に生じる義歯床の不適合について、その実態を把握しようと試みた。すなわち、0例の下顎の遊離端義歯症例を被験対象として、義歯の装着直後より1週間後に至る経過について、義歯床の適合性および義歯床の沈下量の臨床調査を実施した。 その結果、1)装着時の床基底面に咬合圧下の床下粘膜の負担圧の均等化を図った義歯の場合には、いずれの例においても、装着当日から7日後までに、義歯床の沈下量には、変化が認められず、適合性試験材の厚径0〜50umの範囲が全負担域の90%以上を保つことが認められた。2)装着時の床基底面に咬合圧下の床下粘膜の負担圧に部位的な差異が生じている義歯の場合には、義歯床の沈下量および適合性試験材の厚径の経時変化が、ほとんど認められなかったものと、いずれかが認められたものが半数ずつ認められた。3)経時変化が認められたものについては、ほとんどの例において、装着当日から7日後までに、義歯床の沈下量が約50um増加したが、適合性試験材の厚径の0〜50umのおよび51〜100umの範囲の面積比が、装着当日と7日後とでは明らかな差異が認められた。
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