研究課題/領域番号 |
06454564
|
研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 裕 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (20139950)
|
研究分担者 |
橋本 和佳 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90201706)
荒木 章純 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (10201295)
|
キーワード | 咬合診査 / 早期接触 / 歯の振動 / 振動加速度 / 周波数分析 / 累積積分値 |
研究概要 |
本研究の目的は、歯牙タッピング時に上顎歯列に生じる接触振動を、超小型振動ピックアップを用いて歯種別に導出し、その得られた加速度波形から、対合接触の有無、対合接触の強さ、および接触振動の方向性の正常値を求めるとともに、歯の振動を利用した新たな咬合診査法の確立を試みることにある。 平成6年度および7年度にわたり振動ピックアップの支持方法に関する試行錯誤より、ピックアップは、ゴム手袋にシアノアクリレート系接着材にて直接接着し、球形ダイヤモンド先端部を治具とした場合の波形が最も安定していることが分かった。また、これまでの研究からも、測定時には50〜100g程度の僅かな手指圧を利用することで、高域周波数がより安定することが判明している。そこで現在は、以上の測定システムに基づいて正常有歯顎者に対する測定を重ねているところである。また、研究分担者(荒木、橋本)は、購入したシグナルプロセッサーのプログラミングを行い、歯の振動波形の高速フーリエ解析およびフーリエスペクトル上での70%累積周波数の算出を可能にしている。 今後は、測定した歯の振動波形の分析を急ぐと共に、咬合診査法の一つとして臨床での有効性の確認を行っていく所存である。その一部として、7年度は咬合紙や感圧紙を用いた診査法の問題点を検討した。その結果、咬合紙による対合接触の有無の判定は、判定にあたる歯科医師自身の基準によって大きく異なり、接触強さの判定に用いられる「色抜け」についても、必ずしもエナメル質で明確にならないことが判明した。また、専用評価装置(Occluzer FPD 703)を用いた感圧紙による診査については、発色の安定性や個人内での経時的比較には問題がないものの、感圧紙の厚みや測定する操作などが顎位に及ぼす影響については未だ不明である。そこで、上記の研究を継続する傍ら、感圧紙による咬合診査法の有効性についてさらに検討を進める所存である。
|