研究課題/領域番号 |
06454566
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研究機関 | 日本歯科大学新潟短期大学 |
研究代表者 |
小倉 英夫 日本歯科大学新潟短期大学, 教授 (60095099)
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研究分担者 |
長島 直子 新潟短期大学, 助手 (10249097)
吉田 晶子 新潟短期大学, 助手 (50240271)
戸嶋 美和 新潟短期大学, 講師 (10207574)
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キーワード | 刷掃試験機 / 歯ブラシ / 刷掃動作 / 刷掃振幅 / 刷掃力 / 刷毛剛さ / 刷毛・歯面角度 / 刷掃速度 |
研究概要 |
作製した刷掃モデル試験機は刷掃振幅、刷掃速度、刷掃振動数、ならびに刷掃力を、それぞれ3〜50mm、60〜1800cm/min、100〜450回/min、0〜2000gfの範囲で連続的に変化させて歯列模型の刷掃を行うことが可能であった。本試験機を用いて、歯列模型の刷掃を行い、低速ビデオ画像によって刷掃時の刷毛の移動・到達状態を調べるとともに、模型歯面に装着した微小応力センサーによって刷掃時に歯面が受ける力を測定した。刷掃時の刷毛の移動状態は、被刷掃部位、刷掃振幅、刷毛・歯面角度(刷毛の植毛方向と歯面の角度)、刷掃力、ならびに刷毛の剛さ(硬さ)によって影響を受けた。豊隆が大きい臼歯部頬側歯面では、中切歯唇面に比べ、刷毛先端の移動距離が小さかった。また、刷掃振幅の減少、刷掃力の増加、刷毛と歯面の角度の増加(最大90度)、刷毛の剛さの減少に伴って、刷毛先端の移動距離は減少した。刷掃振幅・刷掃力と刷毛先端の移動距離との関係は直線的ではなく、刷掃振幅が約10mm以下となり、刷掃力が300〜400gを越えると、刷毛の移動距離は極端に減少した。この変化は、刷毛を歯面に直角に接触させた場合に顕著であったが、刷毛先端は歯間空隙などの陥凹部により深く到達した。刷毛と歯面との角度が小さくなると、90度に比べて刷毛の移動距離は大きくなり、陥凹部への刷毛先端の到達も容易であった。刷掃速度の影響は、必ずしも明瞭ではなかったが、刷掃振幅が大きくなると、陥凹部へ到達し難くなる傾向が認められた。歯面が受ける力は、被刷掃部位、刷掃力、刷毛・歯面角度、ならびに刷毛の剛さによって変化した。刷毛の剛さ、刷掃力、ならびに刷毛と歯面の角度が増加すると、歯面が受ける力は増加し、隣接面部に比べ、唇頬側・舌口蓋側面部で大きかった。この関係は、刷掃力が比較的小さく(300〜400gf以下)、刷掃振幅が大きい(20mm以上)ときに成立した。刷掃力が大きくなり、刷掃振幅が小さくなる(10mm以下)と、唇頬側・舌口蓋側面部では、歯面の受ける力はあまり変化せず、場合によっては減少した。この場合、逆に隣接面部では歯面の受ける力は増加した。
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