研究概要 |
本年度は周辺機器整備ができるまでの間^1H-NMRを用いてNaイオンチャネル周囲のリン脂質膜と局所麻酔薬との結合力が麻酔作用に大きく影響することを報告した。また、りん脂質膜と結合することでNaイオンチャネルコンダクタンスを低下させ、Naイオンの通過を阻害して局所麻酔作用を発現するという仮説も提起した(KoKubu,etal,1994)。また、base型局所麻酔薬の量を増やし、リン脂質膜を通過し易いようにしても、局所麻酔薬はリン脂質膜上にとどまり、膜を貫通しないことも報告した(國分、他1995)。同時に、ラット脳細胞を遠心分離を繰り返し、ショ糖沈降法を用いてNaイオンチャネルを分離精製し、生理学的活性を保ったままリン脂質膜に組み込むことを試みた。しかし、現在までの所、Naイオンチャネルの精製濃度が十分でなく、ボルテージクランプ法を用いてもチャネルコンダクタンスに変化が認められない、現在のNaイオンチャネルの最終精製濃度は0.2mgprotein/ml程であるが、これを0.05mg/mlまで精製すれば他のタンパクの干渉を排除できると考えている.今後はsaxotoxinなどを利用しaffinity chomatographyを用いて精製濃度を上げることにより目的を違せると考えている。
|