研究課題/領域番号 |
06454573
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
金子 譲 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085747)
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研究分担者 |
五十嵐 治 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30246334)
杉山 あや子 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80171180)
一戸 達也 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40184626)
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キーワード | 吸入麻酔 / 伝達麻酔 / 手術侵襲 / ストレスフリー |
研究概要 |
手術中に患者が受ける2種類のストレス(手術侵襲・吸入麻酔薬)の両者を可及的に除去しストレスの少ない手術環境を作るため、侵害刺激の遮断を目的に局所麻酔によるブロック(伝達麻酔)を全身麻酔に併用し、これにより低濃度吸入麻酔で維持する麻酔方法を確立させるために行なった。 1)対象:全身麻酔下に口腔外科手術をおこなう臨床患者で、内科的疾患を持たない健康成人。対象は伝達麻酔の有無から2群に分けた。 2)方法:全身麻酔は吸入麻酔薬を用い気管内麻酔で行なった。笑気31/分・酸素21/分にイソフルランを加え、対照群(伝達麻酔非併用群)では麻酔深度を1.6MAC、また伝達麻酔併用群は麻酔深度を1.0MACにして自発呼吸で維持した。ストレスの指標として血圧・心拍数・心拍出量・血漿カテコールアミン濃度を執刀(伝達麻酔)前の麻酔安定時と手術侵襲の最も大きい時期の各々で測定した。なお、伝達麻酔にはエピネフリン無添加の局所麻酔の用い、体性感覚誘発電位にて効果を判定した。 3)結果:対照群と伝達麻酔併用群を比較したところ各パラメータとも対象群に比較し伝達麻酔併用群で統計的有意差をもって変動が小さかった。 以上の結果から伝達麻酔併用吸入麻酔法は、手術侵襲を伝達麻酔で遮断することで低濃度吸入麻酔での維持が可能となった。この方法は手術中に患者が受ける2種類のストレスを両者とも減少できたと考える。
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