研究課題/領域番号 |
06454578
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
亀山 忠光 久留米大学, 医学部, 教授 (00080937)
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研究分担者 |
藤田 寛 久留米大学, 医学部, 助手 (10248453)
寺崎 伸一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (70227510)
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キーワード | 単純ヘルペス1型 / 重複潜伏感染 / DNA / ウイルス力価 |
研究概要 |
I HSV-1の重複潜伏感染に関する検討 同一人で時期(最短21日から最長2年2ケ月)を異にする唾液への無症候性排出ウイルス株(13例32株)とHSV感染症分離株(10例23株)につき、ウイルスDNAを抽出しパターンの比較を行った結果、無症候性群では13例中9例(69%)に異なる株が認められたのに対し、感染症群では10例全てに同じパターンが認められた。また、ウイルスクローンによるパターン分析の結果は、感染症では11例全てが同じ株であったが、無症候性排出群では、3例中2例に異なる株のパターンを示した。 以上の結果はHSV-1の重複潜伏感染を示唆する。 II 排出ウイルス分離株と感染症分離株の性状に関する検討 ストックウイルス株のウイルス力価の測定、15年、14年、10年前のストック株より無症候性ウイルス株と感染症ウイルス分離株を各年度毎に10検体ずつ抽出し、0.1mlのウイルスを1:10から順次10倍階段希釈を行い、プラック法により定量を行ったところ、いずれの検体でもウイルス力価10^6PFU/mlを示した。同様、無症候性排出ウイルス5株、感染症ウイルス分離株5株につき、凍結融解による力価の低下を比較した。 増殖させたウイルス株(10^6PFU/ml)を0.2mlずつ10本のマイクロスピッツに分注凍結した群と2mlのスピッツに凍結保存した群に分け、2年間にわたって定期的に融解し、プラック法により定量を行った。分注した群については、10^6PFU/mlのウイルス力価を示し低下は見られなかったが、2mlのスピッツ群では、融解する毎に低下が見られ、総量の減少に伴い低下が著しく、それも排出ウイルス群に著明であった。 以上の結果から融解することが、感受性の低下に関連していることが明らかとなった。
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