研究課題/領域番号 |
06454589
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
神原 正樹 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90103085)
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研究分担者 |
三宅 達郎 通産省電子技術総合研究所, 超分子部, 講師 (40200141)
上村 参生 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70168665)
松村 英夫 通産省電子技術総合研究所, 超分子部, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 接触角 / 疎水性 / タンパク質 / 吸着 / ぬれ / 細菌 / 付着 / 表面ポテンシャルエネルギー |
研究概要 |
歯垢形成の初期段階は、基本的には歯面への唾液タンパク質の吸着および口腔内細菌の付着という物理化学的現象であり、その理論的背景となる界面科学的研究は、歯垢形成機序の解明のために不可欠なものであると考え、本実験を企画した。口腔内におけるエナメル質表面は常にタンパク質で覆われているため、齲蝕の原因となる細菌の付着現象の解明には、エナメル質に吸着したタンパク質の表面性状の理解が必要である。 疎水/親水性、すなわち、ぬれ性状の尺度である界面張力の測定は、一般に液滴法による接触角測定が用いられる。ところが、この方法で生体高分子を測定しようとすると、乾燥によるコンホメーション変化の可能性があり、必ずしも、in situの情報を得ることにはならない。そこで、これらが問題とならない、タンパク質吸着固体表面のぬれ性状を測定する方法、液膜落下法を開発した。なお、液膜落下法は特許を出願中である。 液膜落下法により、今まで測定が不可能であった水溶液中でのぬれ性状の測定が可能であることが明らかとなり、高分子の吸着挙動の動的側面についての情報も得られることがわかった。 また、ハイドロキシアパタイト(HAp)と細菌間の表面ポテンシャルエネルギーを理論的に計算し、HApへの細菌の付着現象に及ぼす遠距離力の効果を検討した。 その結果、表面ポテンシャルエネルギーによって細菌のHApへの付着を阻止するためには、溶液のpHを高く、またイオン強度を小さくし、しかも溶液中に多価の陽イオンを含まないことが重要であることがわかった。
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