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1994 年度 実績報告書

小腸及び腎尿細管における薬物輸送体の構造と機能に関する分子・細胞生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454596
研究機関京都大学

研究代表者

乾 賢一  京都大学, 医学部, 教授 (70034030)

研究分担者 斎藤 秀之  京都大学, 医学部, 助手 (40225727)
高野 幹久  京都大学, 医学部, 助教授 (20211336)
キーワード腸管吸収 / 尿細管分泌 / ジペプチド / 輸送担体 / 培養上皮細胞 / クローニング / セファロスポリン / 卵母細胞
研究概要

小腸や腎尿細管上皮細胞には、様々なチャネル・輸送体群が細胞膜に局在しており、栄養物質の吸収や体液恒常性の維持に寄与している。これら生体成分輸送系の中には、医薬品の吸収・分泌を仲介する輸送体が存在し、薬物動態の制御・調節に深く関わっていることが明らかにされつつある。本研究では、小腸並びに腎尿細管上皮に発現しているジペプチド輸送体を中心に、培養細胞系における薬物認識特性について精査すると共に、cDNAクローニングと卵母細胞による機能発現について検討した。
セフラジンやセフチブテン等の経口用セファロスポリン系抗生物質を用いて、培養腸上皮細胞Caco-2に発現しているジペプチド輸送体の基質認識性及び細胞膜局在性を調べた結果、頂側膜H^+/ジペプチド共輸送体並びに側底膜H^+勾配非依存性ジペプチド輸送体は互いに異なる薬物認識能を有することがわかった。
逆転写/PCR法を用いて、ラットジペプチド輸送体(rPepT)のcDNAを単離した。シークエンシングの結果、rPepTは710個のアミノ酸からなり、12本の膜貫通領域をもつと推定された。さらに網状赤血球ライセ-トを用いた無細胞翻訳系によって、rPepTは分子量は約75kDaの糖タンパク質であることがわかった。ノーザンブロット解析並びに特異的プライマーを用いたPCRの結果、rPepTmRNAの発現は小腸及び腎皮質において認められた。合成rPepTRNAを注入した卵母細胞では、H^+勾配依存的なセファロスポリン系抗生物質の取り込み活性が認められ、rPepTはH^+/ジペプチド共輸送体であることが確認された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Takano: "Bestatin transport in rabbit intestinal brush-border membrane vesicles" Biochem Pharmacol.47. 1089-1090 (1994)

  • [文献書誌] Y.Hashimoto: "Functional evidence for an apical ANP receptor in LLC-PK1 kidney epithelial cells" Eur.J.Pharmacol.268. 443-445 (1994)

  • [文献書誌] S.Matsumoto: "Transcellular transport of oral cephalosporins in human intestinal epithelial cells,Caco-2:Interaction with dipeptide transport systems in apical and basolaterl membranes" J.Pharmacol.Exp.Ther.270. 498-504 (1994)

  • [文献書誌] S.Sasaki: "Cloning,characterization,and chromosomal mapping of human collecting duct water channel" J.Clin.Invest.93. 1250-1256 (1994)

  • [文献書誌] Y.Tomita: "Trsnsport of cephalosporins by the H^+/dipeptide cotransporter and distribution of the transport activity in isolated rabit intestinal epithelial cells" J.Pharmacol.Exp.Ther.272. 63-69 (1995)

  • [文献書誌] 乾 賢一: "膜学実験シリーズ 第I巻 生体膜編 日本膜学会編" 共立出版, 424 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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