weel遺伝子産物は燐酸化酵素をコードしており、cdc2キナーゼの活性を抑制することが明らかとなっていた。我々は哺乳類weelはcdc2キナーゼの15番目のチロシン残基を燐酸化し活性抑制することを示した。さらにwee1キナーゼ活性制御因子を酵母two-hybrid法を用い、単離することを試みた。その結果、マウス14-3-3ζcDNAが単離された。この14-3-ζをMBPやGSTの融合蛋白質として大腸菌で発現させ、wee1との結合について調べたところ、非燐酸化型weelおよびcdc2キナーゼにより燐酸化されたwee1のいずれにも結合することが明らかとなった。cdc2キナーゼにより燐酸化されたwee1はcdc2/cyclin Bと結合しているが、この複合体にも14-3-3ζは結合した。また、この結合はキナーゼドメインを含むC末領域においてみられ、制御ドメインであるN末領域には結合しなかった。一方、哺乳類細胞においてはcdc2キナーゼの燐酸化は14番目のトレオニン残基においても観察され、これを燐酸化する酵素の存在が予想された。我々はRT-PCRを用いてwee1キナーゼファミリーの単離を試み、マウスmyt1を単離した。myt1はcdc2キナーゼを良い基質とし14T、15Yを燐酸化する。一方cdk2はwee1キナーゼによる燐酸化の方がmyt1キナーゼによるより強く行われることが明らかになった。さらにmyt1とマウスwee1をcos-1細胞中で発現させ、細胞内局在を検討したところ、wee1は核に、myt1は細胞質中に点在していることが分かった。このmyt1の細胞質局在を規定しているとおもわれる疎水性配列も確認した。
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