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1995 年度 実績報告書

FGF受容体の多様性と脳内での生理的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06454598
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 信行  京都大学, 薬学部, 教授 (10110610)

研究分担者 尾崎 恵一  京都大学, 薬学部, 助手 (50252466)
キーワードFGF / 脳 / 受容体 / 増殖因子 / 遺伝子
研究概要

これまでの結果をまとめると,PGFR-1は脳内の広い領域の神経細胞に発現していた。また,FGFR-2とFGFR-3はそれぞれ,脳内ではオリゴデンドロサイト,アストロサイトに特異的に発現していた。一方,FGFR-4は視床上部の内側手網核のコリン作動性ニユーロンでのみ発現していた。これらの実験結果は,脳内で発現している4種類のFGF受容体はいずれも,それぞれ独自の生理的役割を果たしていることを示唆している。
我々は,FGF受容体の脳内発現を調べるとともに,現在知られている9種類のFGFの内,aFGF,bFGF,FGF-4,FGF-5,FGF-6,FGF-9の6種類のFGF cDNAを単離し,それらの脳内発現をin situhybridization法により調べた。FGF-4,FGF-6は脳内では発現は確認されなったが,aFGF,bFGF,FGF-9は脳内で強い発現が,FGF-5は非常に弱いながら発現が観察された。aFGFの発現は中脳,脳幹の特定の神経核の神経細胞に局在していた。また,bFGFの発現は海馬のCA領域,海馬痕跡,灰白層などの神経細胞に強く発現するとともに,グリア細胞にも弱い発現が観察された。一方,FGF-9は脳内の広い領域の神経細胞に発現が見られた。これらのことより,FGFとFGF受容体は構造的に類似した多数のメンバーからなるが,いずれも脳内ではその発現領域,発現細胞は異なることが明らかになった。神経細胞,グリア細胞はなんらかのFGFとFGF受容体を発現しており,FGFの作用はニューロンとニューロンの相互作用,ニューロンとグリアの相互作用,グリアとグリアの相互作用の3種類が考えられ,特定のニューロン,グリア細胞における分化,生存維持にはそれぞれ,特定のFGFのFGF受容体の組み合わせによってその作用を発揮していると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tagashira ら: "Localization of fibroblast growth factor-9 mRNA in the rat brain" Mol. Brain Res.30. 233-241 (1995)

  • [文献書誌] Miyake ら: "Transient expression of FGF receptor-4 mRNA in the rat cerebellum during postnatal development" Mol. Brain Res.31. 95-100 (1995)

  • [文献書誌] Hattori ら: "The rat FGF-5 mRNA variant generated by alternative pplicing encodes a novel trancated form of FGF-5" Biochim. Biophys. Acta. (in press). (1996)

  • [文献書誌] Miyake ら: "Rat oligodendrocytes and astrocytes preterentially express fibroblast growth factor receptor-2 and-3 mRNAs" J. Neuroci. Res.(in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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