研究課題/領域番号 |
06454608
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
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研究分担者 |
上川路 信博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90224659)
谷口 俊一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60117166)
木村 彰方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60161551)
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キーワード | K-ras / P53 / 相同組み換え |
研究概要 |
大腸癌細胞株のK-ras、P53変異遺伝子を、2段階相同組み替え技術を用いることによって正常遺伝子と置換した細胞株を用いて、がん治療へ向けての理論的根拠を検索を目的に研究を行った。 rasの遺伝子産物は、細胞内情報伝達系を構成する蛋白群の一つであり、その下流のrafをはじめとする細胞内情報伝達物質の活性化を制御している。使用した細胞株の一つである、HCT116は活性化K-ras遺伝子をノックアウトしてもraf遺伝子の活性化が持続したことからraf遺伝子の異常が示唆されたことから、raf遺伝子異常を検索し塩基配列のレベルでの変異を証明した。これまでに、K-ras遺伝子をノックアウトすることで腫瘍特性が消失することを明らかにしており、複数の遺伝子に異常がある場合でも、細胞内情報伝達系において上位で細胞増殖を制御しているK-ras遺伝子を正常化することでのがんの遺伝子治療の可能性が示された。 現在、P53遺伝子のノックアウト細胞の樹立の試みを継続中であり、今後、がん化におけるK-ras、P53遺伝子の意義と遺伝子変異の順序の必然性に関する検討を行う予定である。
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