研究課題/領域番号 |
06454624
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
並木 和子 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (90065011)
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研究分担者 |
山田 隆康 慶応大学, 伊勢慶応病院, 専任講師 (10166712)
飯塚 佳恵 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (50257573)
山中 みどり 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (60139962)
山下 かなへ 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (40080113)
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キーワード | 血小板凝集能 / 血漿脂質中の脂肪酸組成 / 血液の流動性 / 血液中の活性酸素 / 血漿中のトコフェロール / 頚動脈エコーIMT / 大動脈脈波速度PWV / 血液マイクロレオロジー測定装置 |
研究概要 |
本研究は、食環境の顕著に異なると考えられる離島と、農山村住民の血漿中の脂肪酸組成、ビタミンEその他、血小板凝集能、活性酸素などの血液性状と血管エコーによる頚動脈内中膜壁厚などの動脈硬化指標を調べ、食生活と動脈硬化症発症との関連について検討することを目的としている。 平成6年度は、平成5年度の離島(神島)で調査研究の際、現地で採血後、凍結して持ち帰った血漿脂質中の脂肪酸及びトコフェロールについての分析を行った。また平成6年度は、農山村地区として選んだ三重県飯高町において約200名の住民を対象に疫学調査を行った。調査は、現地において血小板凝集能の測定をヘマトレーサーを用いる比濁法により行い、平成6年度は新たに開発された毛細管モデルを用いた血液マイクロレオロジー測定装置による血液の流動性測定も同時に行った。また、平成6年度においては、生体の酸化的障害についての情報を得る目的で血液中の活性酸素の測定を加え、血液中の活性酸素がCLA(海ホタル誘導体)によって発する微弱な発光をルミネッセンスリーダーによって現地で測定した。血漿中の脂肪酸、トコフェロール類は、血漿を液体窒素で凍結保存して持ち帰り、順次解凍して分析した。平成6年度における研究結果では、離島住民には狭心症、心筋梗塞などの血栓性動脈硬化性疾患の有病率は全国平均と比べ有意に少ない傾向を示し、また、動脈硬化の指標となる頚動脈エコーによるIMTおよび大動脈脈波速度PWVの所見では、年齢とともに動脈硬化が認められたが、全国平均或いは、他の正常値とするデータより明らかに動脈硬化傾向の遅れが見られた。血小板凝集能は、低下群および正常群の低下気味とする範囲の人が多く、離島住民の血液は、血小板凝集能低下傾向であり、血栓性疾患の有病率の少なさと一致すると考えられた。脂肪酸組成は、魚食傾向を示し、n-3系脂肪酸が顕著に多かった。血漿ビタミンEは、正常範囲であり、多価不飽和脂肪酸の多量摂取によるビタミンEの低下傾向は認められなかった。
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