研究課題/領域番号 |
06454642
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
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研究分担者 |
水野 修 東北大学, 工学部, 助手 (90271882)
宮原 高志 東北大学, 工学部, 助手 (70239432)
李 玉友 東北大学, 工学部, 助教授 (30201106)
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キーワード | 嫌気性処理 / 芳香族化合物 / フェノール / 阻害 / 分解 / メタン生成 / 動力学 / 代謝産物 |
研究概要 |
フェノールに馴致した嫌気性消化汚泥を用いて、フェノールの嫌気的分解に関する回分実験を行い、フェノールの嫌気的分解活性及び中間代謝産物を測定することにより、嫌気性消化におけるフェノールの分解特性、分解経路を明らかにした。本研究より得られた知見は次の通りである。 フェノールの嫌気的分解速度はフェノールの濃度に左右され、300mg/Lの濃度条件で最大値を示している。この濃度以下では濃度の増加につれて分解速度が早くなるが、この濃度を越えると、阻害効果が見られ、分解速度が低くなっている。 フェノールの嫌気的分解速度に及ぼすフェノールの影響はHaldan式を用いて表現できた。動力学的パラメータk,Ks及びKiの値はそれぞれ0.096hr^<-1>、1128mg/L及び188mg/Lであった。 フェノールの嫌気性分解経路としては、フェノールはまず還元的カルボキシル化反応によって安息香酸に変換され、続いて脂肪酸になり、順次酢酸、水素に低分子する。生成した酢酸、水素などは最終的にメタン生成細菌によってメタンと二酸化炭素まで分解される。安息香酸と酢酸はフェノールの嫌気的分解の過程における主要な代謝産物であった。 また、各グループの嫌気性細菌に対する芳香族化合物の阻害効果について実験的に検討した結果、阻害影響の強さの順番は水素資化性メタン生成細菌>酪酸資化性共生酢酸生成細菌>酢酸資化性メタン生成細菌、であった。
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