研究概要 |
筆者らは、本研究において新規生理活性物質レピジモイドの構造と機能を明らかにすることを目的として、1)レピジモイドの植物界における普遍性、2)レピジモイドの活性発現に寄与している化学構造、3)レピジモイドの生合成機構、4)レピジモイドの作用機作について研究を行い、以下に示すような結果を得た。 1)レピジモイドの植物界における分布を調べるため、本研究において新たに開発した機器分析を用いて定量を行ったところ、種によって分泌量の差はあるものの、今回用いた24種(12科22属)の植物種子培養液総てにおいてその存在が確認された。 2)レピジモイドおよびその誘導体を用いた構造活性相関実験の結果から、レピジモイドの活性発現にはα-グリコシド結合を介してラムノースに結合しているα,β-不飽和ウロン酸誘導体部分およびウロン酸部分のC-4,5位部位の二重結合が重要な役割を果していることが明らかとなった。 3)発芽種子および分泌液中のレピジモイドの消長を機器分析および生物検定法を用いて調べたところ、レピジモイドは給水後数時間目から分泌されはじめ、分泌されたレピジモイドは遅くとも4日目迄には分解あるいは代謝されることが明らかになった。またこの間に、新たなレピジモイドの生合成が起きていることも明らかとなった。 4)レピジモイドの作用機作を明らかにするために、種々の生物検定法を用いて効果を調べたところ、レピジモイドる胚軸の伸長を促進する他、弱光下でのクロロフィルおよびその前駆物質である5-アミノレブリン酸の生合成促進や、セネッセンスおよび離層形成等の植物の老化に対して抑制作用を示すことが明らかとなり、その作用の多様性が新たに示された。 また、これらの結果の一部は、論文2編および学会発表7件として公表を行った。
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