研究課題/領域番号 |
06454652
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
金保 安則 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (00214437)
|
研究分担者 |
仁科 博史 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60212122)
高橋 勝宣 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (40183850)
|
キーワード | ホスホリパーゼD / ウサギ好中球 / 情報伝達 / 膜透過性細胞 / GTP結合タンパク質 / ADPリボシル化因子 / カルシュウム / カルモジュリン |
研究概要 |
当初計画したホスホリパーゼD(PLD)の活性調節機構について、以下のような非常に興味ある新しい知見が得られている。これらの研究成果は、現在投稿中である。 膜透過性ウサギ好中球におけるPLD活性化条件の検討:ウサギ好中球を[^3H]lyso platelet-activating factorと保温して内因性のPLD基質phosphatidylcholineを標識した後、ストレプトリジンOで処理して細胞質を除去した膜透過性ウサギ好中球を調製した。この膜透過性細胞をラット大脳細胞質と再構成してGTPγS/Ca^<2+>/Mg-ATPで刺激すると、細胞質蛋白質の濃度依存的に顕著なPLDの活性化が認められた。また、この再構成系で、PLDはGTPγS単独でもわずかに活性化され、GTPγSとCa^<2+>で相乗的に活性化されることが明らかになった。さらには、GTPγS/Ca^<2+>によるPLDの活性化は、カルモジュリン(CaM)阻害剤のW-7によりその濃度依存的に抑制された。これらの結果は、好中球のPLDは、細胞質に存在するGTP結合蛋白質とCaMにより相乗的に活性化されることを示唆している。 CaMによるPLD活性化調節:最近、低分子量GTP結合蛋白質の一つであるADPリボシル化因子(ARF)がPLDを活性化することが報告された。このことより、上述したPLDを活性化する細胞質GTP結合蛋白質の本体はARFであると推察出来る。そこで、ウシ大脳細胞質より部分精製したARFあるいは完全精製したCaMを膜透過性ウサギ好中球と再構成した。興味深いことに、ARFあるいはCaM単独では、PLDはわずかに活性されるにすぎなかったが、両者を同時に再構成すると、PLDは相乗的に活性化された。この結果より、好中球PLDは、アゴニスト刺激によりARFとCaMにより相乗的に活性化されることが示唆される。
|