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1994 年度 実績報告書

ヒトH^+-ATP合成酵素subunitb遺伝子の発現制御に係る蛋白質因子の解析(無細胞転写系を用いた核・ミトコンドリア遺伝子の協調発現因子の解析)

研究課題

研究課題/領域番号 06454656
研究機関徳島大学

研究代表者

樋口 富彦  徳島大学, 薬学部, 教授 (50035557)

キーワードヒト遺伝子 / ATP合成酵素 / subunit b遺伝子 / Sp1 / BTEB / エンハンサー / エンハンサー45K / エンハンサー70K
研究概要

今年度は,下記の実験事実を明らかにした.
1.ヒトsubunit b遺伝子は,全長約9,000bpsからなり,8つのエクソンに分かれてコードされており,エクソンとイントロンのジャンクションは,全てGT-AGルールに従っていた.
2.ヒトsubunit b遺伝子は,Primer Extention法と5'RACE(Rapid Amplification of cDNA End)法により,-23と+1の2カ所から転写が開始されていることが確認された.このうち,+1が主要な転写開始部位であった.これは,転写部位を決定するTATA boxが存在しないことと一致した.
3.昨年度までのRibonuclease protection assay(RPA法)を用いた本研究により,subunit b遺伝子の第1イントロン内の+160〜+186までのSp1結合配列(+171〜+179)を含む27bpに高い転写活性を持つことが明らかとなっていた.そこで,今年度は,第1イントロン内エンハンサーのSp1結合部位を含む35bpの断片(+150〜+184)を,HeLa 3SCから調製した核抽出物と反応させゲルシフトアッセイを行ったところ,4種類の核蛋白質の結合が観察された.そのうちの2つはSp-1とBTEBで,残りの2つが分子量45Kと70Kの未知の因子であることが明らかとなった.次にこれらの因子の結合の塩基特異性を調べるために,第1イントロン内エンハンサーエレメントの塩基配列の部位変異を行った合成オリゴヌクレオチドを競合DNAとして反応系に加えたところ,Sp1と70Kの核蛋白質は,+171〜+184までの塩基配列が,BTEBと45Kの核蛋白質は,+165〜+168までの塩基配列が結合に関係していることが明らかとなった.今後これらの因子を単離精製後,in vitro転写反応を行うことによってsubunit b遺伝子の制御システムの詳しい解明が期待される.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ezaki,J.: "Specific Delay of Degradation of Mitochondrial ATP Synthase Subunit c in Late Infantile Neuronal Ceroid-Lipofuscinosis(Batten Disease)." J.Neurochemistrry. 64(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Prescott,M.: "The Functional Expression of A Rat cDNA Encoding OSCP In The Yeast Saccharomyces cerevisiae" Biochem.Biopphys.Res.Comun.(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Tamura,T.: "Isolation and Characterization of a-Type HC3 and b-Type HC5 Subunit Genes of Human Proteasomes:Distinct Gene Organizations and Promoter Functions" Mol.Cell.Biol.244. 117-124 (1994)

  • [文献書誌] Inoue,I.: "Handbook of Molecular and Cellular Physiology of Membrane Channels." Academic Press, 591 (1994)

  • [文献書誌] 角野冨三郎: "分子細胞生物学基礎実験法" 南江堂, 506 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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