(1)細胞内ガングリオシドの機能解析 海馬神経の初代培養細胞のCaMKIIは、1〜10ng/mlという低濃度のガングリオシドを細胞外液に加えることで活性化された。ガングリオシドの種類には特異性が見られ、GM3、GD1b、GT1bは効果を示したが、GD3、GQ16、GM1は効果がなかった。さらにGT1bのオリゴ糖も同じ濃度で活性化した。又、神経芽腫瘍細胞NG108-15内のカルシュニリンは1ng/mlのGM1によって活性化された。細胞外に加えたガングリオシドの細胞内への取り込み機構を検討中である。 (2)細胞表面ガングリオシドの機能解析 細胞表面ポリミアセガングリオシドをVibrio choleraeのシアリダーゼによってGM1に変換すると顕著に神経突起の伸展が促進された。EGCaseによってGM1糖鎖を除くと、神経突起の伸展が抑制された。この結果は、細胞表面GM1量が神経細胞の分化に重要な役割を担っていることを示唆している。その分子機構を検討中である。
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