約4割の不死化細胞株は、7番染色体上に位置する未知遺伝子の欠損によって生じることを示した。また、不死化細胞が7番染色体移入によって分裂を停止するとき、テロメア長が急速に短縮することが示した。7番染色体の一部を含むマウス放射線雑種細胞パネルを作成し、老化誘導活性をもつクローンをいくつか取得した。遺伝子クローンニングに向けて、STSマーカーを用いて放射線雑種細胞に含まれるヒトDNAのマッピングを行った。また、酵母のTAR-YACベクターを用いて、ヒトDNAの一部を回収した。 一方、SV40ts-T抗原を発現する不死化細胞株は、非許容温度に移すと速やかに分裂を停止する。この現象はp53の機能によって媒介され、細胞老化の誘導モデルになりうることを示した。この系において、Gキナーゼ阻害剤が細胞老化の誘導を阻止し、また阻害剤をリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィーとウェスタンブロット解析を行い、2種の蛋白質が老化誘導に伴ってin vivoおよびin vitroで脱リン酸化されることを示した。この反応はホスファターゼ阻害剤によって阻害されるるので、老化シグナルの伝達経路にホスファターゼが介在することを示した
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