研究概要 |
アポトーシス・エンドヌクレアーゼ、DNaseγの酵素学的解析を行うためにリコンビナントDNaseγを作製し、その性状について詳細に検討した。 リコンビナントヒトDNaseγは、pET32a(+)発現ベクターを用い、大腸菌にてthioredoxin(Trx)との融合タンパク質(Trx-hDNaseγ)として作製した。ヒトDNaseγはそのcDNAの解析よりアミノ末端に20アミノ酸よりなるプリカーサーペプチドを持つタンパクとして生成されることが明らかとなっている。そこでまず、精製タンパクより決定されたアミノ末端からはじまるリコンビナントDNaseγ(Mature form)の作製を行った。その活性についてアクティビティーゲル法及びHeLaアッセイ法を用いて検討したところ、Ca2+/Mg2+存在下にDNAエンドヌクレアーゼ活性を示すことが分かった。次に、その性状検討を行ったところ、リコンビナントDNaseγはCa2+/Mg2+もしくはMn2+依存性のエンドヌクレアーゼで、Zn2+,Cu2+,Ni2+,Co2+といった金属イオンや、ATA,クエン酸ナトリウムにより阻害されることがわかった。これらの結果はラット胸腺及び脾臓から精製されたDNaseγを用いて得られた結果と完全に一致した。以上のことから、クローニングされた遺伝子が真にDNaseγタンパク質をコードしていることが証明された。また、DNaseγはリン酸化やポリ(ADP-リボシル)化などの翻訳後修飾なく活性を持つことが示された。
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