研究概要 |
当初,1994年度の研究計画は主に3点からなり,(1)メダカ卵膜サブユニットZI-3の前駆体タンパク質であるL-SFの一次構造の決定.(2)3種のサブユニットZI-1,2及び3の単離と部分的特徴づけ,及び(3)孵化酵素HCEにより切り出される硬化卵膜断片の構造分析であった。 (1)に関してはL-SFのcDNAをクローン化することにより一次構造が明らかとなった。 すなわち,L-SF41は1473bPより成り,19アミノ酸のシグナルペプチドと420アミノ酸のL-SFタンパク質を含んでいた。N末端はアスパラギン酸であるがアミノ酸分析が不可能であるので何らかの修飾を受けていると思われる。約4000の分子量の糖鎖を含むと考えられる。 (2)未硬化メダカ卵膜をGu-Hclで溶解することにより,SDS溶解と殆んど同一のサブユニット,ZI-1,2およびZI-3が電気泳動により分離し,さらにカラムクロマトグラフィーによりそれらが単離出来ることが明らかとなった。この結果、卵膜サブユニットとその前駆体の分子構造の比較が可能となった。 (3)HCEにより硬化卵膜は部分分解を受け膨潤するが,この際,多量のプロリンとグルタミル-リジン架橋を含む領域が特異的に切り出されることが判明した。 以上ほぼ当初の目的を達成しつつある。
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