研究課題/領域番号 |
06454689
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
杉山 勉 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (40000260)
|
研究分担者 |
服田 昌之 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (00249947)
|
キーワード | ヒドラ / 細胞接着 / 細胞接着分子 / インデグリンβ / カテニン / カドベリン / プロトカドベリン / ABP-20 |
研究概要 |
膣腸動物ヒドラは単純な体制と強い再生力を持ち、形態形成を研究するため、理想的小動物である。一方、細胞接着分子は、脊椎動物の形態形成において、重要な働きをする。そこでヒドラにおいても細胞接着分子を分離し、その形態形成における役割を調べることを目的として、以下の3種類の実験を行った。 (1)PCR方による相同遺伝子の分離。脊椎動物と昆虫の細胞接着に関連する8分子を選び、PCR法による相同遺伝子の分離を試みた。その結果、β-カテニン全長と、インテグリンβ鎖のN末端以外のほぼ全長をコードするcDNAクローンを分離し、塩基配列を決定した。その他カドベリン(プロトカトヘリン)と高い相同性を示すPCR断片を分離してある。(2)エピトープ選抜法による分離。この方法により分離したclone-4はABP-280(actin binding protein、non-musche filamn)と高い相同性を示し、この遺伝子のコードする蛋白は外胚葉細胞のアドヘレンス及びセプテート接着領域に存在する。その他特定細胞種の特定部位のみに分布する細胞骨格タンパク3種をコードする遺伝子のcDNAクローンを分離し塩基配列を決定した。(3)細胞集合体形成に関与する分子。プロカイン法でヒドラの外胚葉組織と内胚葉組織を分離し、ばらばらの細胞に解離し、再集合させ、両集合体をを再接触させると、外胚葉上皮細胞は単層細胞層として内胚葉上に広がり、完全に包み込みやがて完全なヒドラが再生する。 ヒドラ膜分画から、この細胞集合体形成における細胞運動を活性化あるいは抑制する因子の分離精製を進めている。
|