腔腸動物ヒドラの形態形成に重要な働きをすると考えられる細胞接着分子と接着関連分子の分離を目的とする研究を行った。 PCR法による相同遺伝子分離を試み、β-カテニン全長と、インテグリンβ鎖の一部をコードするcDNAクローンを分離し、塩基配列を決定した。その他カドヘリン(又はプロトカドヘリン)と高い相同性を示すPCR断片も分離した。 次にエピトープ選抜法によりABP-280(actin-binding protein、non-muscle filamin)と高い相同性を示す分子のcDNAを分離した。この分子は、外胚葉細胞の細胞接着領域に特異的に存在する。その他特異的分布を示す細胞骨格タンパク3種をコードする遺伝子を分子の分離し、配列決定を行った。 またヒドラの解離細胞再集合体の形成と再生に関与する細胞表面分離を試みた。その結果、集合体の形成を阻害、集合体の細胞運動を促進する分子を同定し、その分離を進めている。
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