研究概要 |
myogeninノックアウトマウスの形態学的解析を行い、Myogeninが筋細胞分化に必須であることを明らかにした。4種のMyoDファミリー遺伝子、Id遺伝子など筋分化関連遺伝子の発現をWhole mount in situ hybridization法により調べたところ、MyoD,Myf5,Idは正常マウスと同様の発現パターンをとることが明らかとなった。ノックアウトマウスの四肢に少量の未成熟な筋管細胞が観察されることから、この筋管細胞でのMRF4の発現を調べたところ、正常マウスに比べて強く発現していた。この結果はおそらくMyogeninがなくともMRF4が発現することにより一部の筋芽細胞は筋管細胞へと分化できると推定される。四肢においては多くの細胞はMyoD--Myogeninの組み合わせで分化するが一部にMyoD--MRF4の組み合わせで分化する細胞が存在すると考えている。 Myogeninノックアウトマウスより筋芽細胞を分離し、その性質を調べた。増殖因子を取り除いた分化培地で培養するとMyogeninがなくとも筋芽細胞は筋管細胞に分化すること、また、生化学的分化マーカーの発現では正常と区別がつかないことが明らかとなった。さらに発生の各ステップより初代筋芽細胞を培養することにより、これまで知られていないタイプの筋芽細胞の存在を示唆する結果が得られ、新たな問題が提起された。
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