ES細胞を利用して発生の初期段階に発現している未知遺伝子をジーントラップ法で直接検索、分離子その遺伝子の機能を解析する。平成6年度に予定した研究は 1.トラップベクターの作製 2.フィダ-細胞の調製 3.トラップベクターのES細胞へ導入 4.ネオマオシン耐性ES細胞の選択 であり1.2.3.が終了し、現在、4.のG18によるネオマオシン耐性ES細胞の選択を行っている。各段階の実験の成果を確認して次の実験を移った。作製したベクターを樹立細胞株C6細胞にを導入してレポーター遺伝子が正常に発現するかを確認した。 おおむね平成6年度に計画した研究は遂行できている。 樹立細胞株C6細胞を用いたレポーター遺伝子の発現の予備実験では、レポーター遺伝子を過剰に導入したが、ES細胞へは1コピー導入した。ES細胞に導入したレポーター遺伝子の発現が弱かった。それは、導入遺伝子が1コピーのためなのか、プロモーター活性の弱い遺伝子をトラップしたのか、作製したジシストロニック・ベクターによるのかを検討しなければならない。G418によるES細胞の選択の検討の結果、至適な濃度を見いだした。 フィダ-細胞としてはSTO細胞を用いた実験を計画したが、ES細胞により条件のよいネオマイシン耐性の初代培養細胞が入手できたのでこれを使用している。また、フィーダー細胞はマイトマイシンによるのでなくX線処理を行った。これにより実験の再現性と精度が向上した。
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