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1996 年度 実績報告書

哺乳動物の低分子量ストレス蛋白質ファミリーに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454703
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

加藤 兼房  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長 (50022801)

研究分担者 伊東 秀記  愛知県コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手 (40311443)
キーワードαクリスタリン / コルヒチン / チュブリン / 合成誘導 / リン酸化 / ストレス
研究概要

今年度は、αBクリスタリンの発現機構に関する新しい知見と、ストレスによって誘発されるαBクリスタリンのリン酸化についての成果を得た。
1)増殖期のC6グリオーマ細胞にコルヒチンなど、微小管脱重合促進剤を曝露すると、αBクリスタリンが選択的に誘導されることを見出した。微小管を安定化させるタキソ-ルがこの誘導を阻止した。またこの誘導はスタウロスポリンに感受性が高く、3-10nMの低濃度が共存しても、完全に阻止されることから、αBクリスタリンの発現は、微小管の解離が促進する際に、スタウロスポリンに感受性の高いプロテインキナーゼの活性化を介して促進されることが推測される。また、蛍光抗体法で細胞内のチュブリンとαBクリスタリンの局在を経時的に調べると。コルヒチン処理2-6時間で脱重合したチュブリンとαBクリスタリンが細胞辺縁部に共存する像が頻繁に見られ、αBクリスタリンが薬剤と結合したチュブリンにいわゆるシャペロンとしてはたらいていることを示唆する像が観察された。
2)hsp27は各種ストレスによってリン酸化することが知られている。一方、αBクリスタリンはレンズ内ではリン酸化型が検出されているが、レンズ外組織でのリン酸化については殆ど知られていない。我々は、αBクリスタリンを恒常的に多く発現しているU373MGグリオーマ細胞を用い、亜砒酸ストレス、熱ストレス、高浸透圧ストレス、およびホルボールエステル、オカダ酸などの薬剤に曝露すると、αBクリスタリンもhsp27と同様にリン酸化されることを見出した。リン酸化されるアミノ酸は、すべてセリン残基で、最大三カ所のセリンがリン酸化されることを明らかにした。現在それぞれのストレスに対応してリン酸化されるセリンの部位を同定中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kato,K.,Ito,H.,et al.: "Synthesis and accumulation of αB crystallin in C6 glioma cells is induced by agents that promote the disassembly of microtubules" J.Biol.Chem.271. 26989-26994 (1996)

  • [文献書誌] Inaguma,Y.,Kato,K.,et al.: "cDNA cloning of a 20-kDa protein (p20) highly homologous to small heat shock proteins : developmental and physiological changes in rat hindlimb muscles" Gene. 178. 145-150 (1996)

  • [文献書誌] Kato,K.,Ito,H.,et al.: "Modulation of stress-induced synthesis of hsp27 and αB crystallin by cyclic AMP in C6 rat glioma cells" J.Neurochem.66. 946-950 (1996)

  • [文献書誌] Ito,H.,Kato,K.,et al.: "Enhancement of stress-induced synthesis of hsp27 and αB crystallin by modulators of the arachidonic acid cascade" J.Cell.Physiol.166. 332-339 (1996)

  • [文献書誌] Suzuki,A.,Kato,K.,et al.: "Protein kinase C activation inhibits stress-inducd synthesis of heat shock protein 27 in osteoblast-like cells : Function of arachidonic acid" J.Cell.Biochem.62. 69-75 (1996)

  • [文献書誌] 加藤兼房、伊東秀記、他: "哺乳動物の低分子量ストレス蛋白質とストレス応答" 日本神経精神薬理学会誌. 16. 1-9 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2017-03-24  

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