研究課題/領域番号 |
06454703
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長 (50022801)
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研究分担者 |
稲熊 裕 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (10250250)
伊東 秀記 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究助手 (40311443)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | ストレス蛋白質 / hsp27 / αクリスタリン / リン酸化 / ストレス誘導 / アラキドン酸 / ホルボールエステル / プロスタグランジン |
研究概要 |
1)新しいαクリスタリンhspファミリーの発見 骨格筋よりhsp27、αBクリスタリンと同時精製されてきて、αBクリスタリンを免疫沈降させると、共沈する20kDaの蛋白質(p20)を精製し、一次構造を決めたところ、αクリスタリンドメインを持った新しいαクリスタリン低分子量ストレス蛋白質ファミリーの一員であった。p20は、hsp27と同様に、平滑筋、骨格筋、心筋に多く発現しているが、ストレス誘導はされない。血管平滑筋中では、弛緩に伴ってリン酸化されることが明らかになった。ラットp20のcDNAをクローニングした。 2)低分子量hspファミリーのリン酸化に関する研究 種々のストレスに応答して、hsp27のセリン残基がリン酸化されることが知られている。我々は、細胞内でhsp27は重合型(L-hsp27)と解離型(S-hsp27)が存在し、L-hsp27がリン酸化されると、解離してS-hsp27となることを見出した。一方、αBクリスタリンもhsp27がリン酸化される条件下で、同じようにセリン残基が最高三カ所リン酸化されることを見出した。上記のp20のリン酸化とともにαクリスタリンhspは、すべてストレスに応答してリン酸化されることが明らかになったが、その生理的意義については今後の研究課題である。 3)ストレス誘導の修飾因子に関す研究 細胞レベルでのストレス応答と個体レベルでのストレス応答の違いから、ストレス応答を修飾する因子の存在が推測されたので、その解析を進め、以下の結果を得た。(1)アラキドン酸カスケード代謝回転がストレス応答と密接に連関していること。(2)β-アドレナリンレセプターを介するシグナル(cAMPの増加)もストレス応答を修飾すること。(3)ホルボールエステル、オカダ酸でも促進されること。(4)プロスタグランジンもストレス誘導を促進すること。(5)αBクリスタリンの発現が、コルヒチンなどの微小管脱重合促進剤で選択的に促進されることを明らかにした。
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