脳が営む多彩な神経活動は酸素消費の増大を伴う。従って、この酸素消費の増大を血流変動でとらえることができれば、脳神経系の活動の局所変動をマッピングし得る。本研究は生体透過性の高い近赤外光を用いて、マルチチャンネル計測システムを開発して、人の高次脳機能の光計測法の確立を目指したものである。以下に本年度の研究成果をまとめる (1)近赤外イメージング法の最初として、最大5チャンネルの同時記録システムを作製することができた。 (2)思考負荷により、人頭部における局所脳機能の時間的・空間的変動を連続的にモニターした。 (3)男性と女性による性差と右利き、左利き差が明確に優位半球の差で区別できた。 (4)PETとの同時測定により、脳機能計測の基礎である活性化と血流増加との間に個人差があり、高次脳機能解析の複雑さを立証した。 (5)定量的近赤外分光法の基本現象を解明でき、将来の光CTの可能性を示した。
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