• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

ジーンターゲッティング法を用いた高等動物の神経機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06454707
研究種目

一般研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

杉山 博之  九州大学, 理学部, 教授 (20124224)

研究分担者 水上 令子  九州大学, 理学部, 助手 (00239302)
キーワードジーンターゲッティング / グルタミン酸受容体 / 長期増強 / NMDA受容体 / 学習 / 記憶
研究概要

本研究計画では、イオンチャネルや受容体などの神経系に特徴的な機能分子の遺伝子を改変・欠失させたミュータントマウスを作成し、その神経機能に及ぼす影響を解析することでそれらの分子の役割や機能のメカニズムを追求することを目的とする。本年度は次の二つの点について検討した。
1.NMDA型グルタミン酸受容体サブユニット欠損マウスの解析
NMDA型グルタミン酸受容体にはいくつかのサブユニットがあるが、このうちの一つであるε1サブユニットを欠損させたミュータント・マウスで長期増強の解析を行った。9週令のε1の欠損マウスよりの海馬スライスにおいて、CA1野の長期増強が顕著に抑制され、またNMDA受容体によるシナプス電流も減少していることを観察した。(東大医学部三品教授らのグループとの共同研究)。このマウスはMorris型水迷路で検討したところ、学習能力も低下していたので、上記結果は海馬の長期増強が記憶の基礎過程であるとの考えを強く支持しているものと言える。
2.シンタキシンの機能解析と欠損マウス作成の試み
シナプス可塑性の発現には、伝達物質の放出の制御も関与していると考えられる。シナプス前終末の膜タンパク質であるシンタキシンがイオンチャネル型グルタミン酸受容体の性質を示し、かつ放出制御に関与しているのではないかとの推定がなされているが、我々がこの分子の機能を検討した結果では、イオンチャネルの性質を示すという点は確認できなかった。しかし、この分子が伝達物質放出の制御に重要な役割を果している可能性は十分に考えられる。シンタキシン遺伝子を修飾・抑制したマウスを作成するため、これまでにシンタキシン遺伝子クローンを単離し、そのエクソン・イントロン構造を解析し、制限酵素地図を作成した(杏林大学医学部赤川教授らのグループとの共同研究)。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nakamura,K.: "G protein-mediated inhibition of phosphoinositide metabolism evoked by metabotropic glutamate receptors in frog oocytes." J.Physiol.(Lond.). 474. 35-41 (1994)

  • [文献書誌] Sugiyama,H.: "Molecular and functional properties of metabotropic glutamate receptors in the brain." Biomed.Res.15. 29-31 (1994)

  • [文献書誌] Minakami,R.: "Molecular cloning and the functional expression of two isoforms of human metabotropic glutamate receptor subtype 5." Biochem.Biophys.Res.Commun.199. 1136-1143 (1994)

  • [文献書誌] Kasahara,J.: "Inositol phospholipid metabolism in Xenopus oocytes mediated by endogenous Go and Gi proteins." FEBS Lett.355. 41-44 (1994)

  • [文献書誌] Sakimura,K.: "Reduced hippocampal LTP and spatial learning in mice lacking NMDA receptor ε1 subunit." Nature. 373. 151-155 (1995)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi