運動野へのムシモル(GAGAaのアゴニスト)の注入結果をまとめることが出来た。アカゲザルの子供の前頭連合野の46野の前部、10野へのGABA阻害剤の注入については、行動変化にたいする効果は、得られたが、論文までにすることは出来なかった。ムシモル(30ug/ul)を、3頭のアカゲザルの手の運動野(脳内微小刺激に使われる刺激パラメーターで、注入針を介して脳内刺激を行って、親指または他の4指の屈曲、伸展や外転が0.2-1.0mAの電流値で起こった場合、手の運動野とした、また解剖学的にはBrodmannの4野であった)に直接注入すると、対側の手をあまり使わなくなり、手指を伸ばしてだらりと垂らすようになった(人間のとう骨神経Radial nerve麻痺とそっくりな運動麻痺症状で中枢性である)。視覚性の接近運動(床上のリンゴ片を、運動せよの指示の後、摘んで口へ入れる)をさせると、反応時間と運動時間がともに延長した。これらの事は、GABAa抑制が手の円滑な屈曲・伸展に重要であることを示している。大人のアカゲザルで行った、GABAaのアンタゴニスト、アゴニストの運動野ニューロン活動や視覚性随意運動にたいする効果と同じであった。46野前部と10野へのGABAaアンタゴニストの注入効果は、予想された通り、遅延反応の成績低下が見られ、間違い反応の時に報酬を取れないようにしても怒り落胆などの情動反応が見られなくなった。
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