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1995 年度 実績報告書

スライスパッチ法を用いた網膜アマクリン細胞の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06454715
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

金子 章道  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00051491)

研究分担者 青木 香織  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00276213)
桑田 治  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30255426)
三輪 尚史  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255427)
渡辺 修一  慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (60138120)
キーワード網膜 / アマクリン細胞 / スライス標本 / GABA / パッチクランプ法 / キンギョ
研究概要

網膜アマクリン細胞は内網状層に存在する介在ニューロンで、神経節細胞の応答形成に重要な役割を果たしていると考えられている。大多数は抑制性ニューロンであるが、興奮性ニューロンや少数のアミン含有性ニューロンも存在する。アマクリン細胞は形態が神経節細胞に類似しているため単離後の同定が困難なこと、伝達物質が多彩なため、薬理学的実験をしてもその標的の同定が困難なため、膜の性質や、シナプス入出力に関する詳細な研究が進んでおらず、視神経の光応答や受容野の形成にアマクリン細胞がどのように寄与しているのかが明らかになっていない。本研究ではこれらの疑問に答えるため、網膜のスライス標本でシナプス連絡を保ったアマクリン細胞を直視下で同定しつつ電位依存性膜電流や伝達物質に対する応答を解析した。
キンギョ網膜からスライス標本を作製し、直視下で内網状層の遠位側にある丸い細胞体にギガシールを得てホールセル記録を行った。細胞内染色法によって記録後これがアマクリン細胞であることを認識した。アマクリン細胞からは脱分極時に大きな外向きK電流が観察されたが、過分極ではほとんど電流は活性化されなかった。電位依存性のナトリウム電流は一部の細胞のみで観察された。
10-40%の細胞で自発性シナプス電流が観察された。この電流はビキュクリンによってブロックされた。また、逆転電位は0mV付近であった(細胞内外の塩素イオン濃度は等濃度)。これらの性質から、この自発性電流はGABAによるものであると考えられた。残された問題としては、(1)この電流の持続時間などの動態の膜電位依存性や薬物による修飾、(2)GABA受容体のタイプ、(3)GABA放出へのCaチャネルの関与、(4)GABAトランスポータによるGABA取り込み、さらに(5)アマクリン細胞間、あるいはアマクリン細胞と双極細胞、神経節細胞との伝達特性などを明らかにしなければならない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Shen, J., Watanabe,S. -I. & kaneko, A.: "Cell dissociation with papain reduced the density of cGMP-activated channels of the retinal rod." Jpn. J. Physiol.45. 151-164 (1995)

  • [文献書誌] De la Villa, P., Kurahashi, T. & Kaneko, A.: "L-Glutamate-induced responses and cGMP-activated channels in three subtypes of retinal bipolar cells dissociated from the cat." J. Neurosci.15. 3571-3582 (1995)

  • [文献書誌] Takahashi, K. -I., Miyoshi, S. & Kaneko, A.: "GABA-induced chloride current in catfish horizontal cells mediated by non-GABA_A receptor channels." Jpn. J. Physiol.45. 437-456 (1995)

  • [文献書誌] Takahashi, K. -I., Miyoshi, S., Kaneko, A. & Copenhagen, D. R.: "Actions of nipecotic acid and SKF89976A on GABA transporter in cone-driven horizontal cells dissociated from the carfish retina." Jpn. J. Physiol.45. 457-473 (1995)

  • [文献書誌] Kaneda, M., Hashimoto, M. & kaneko, A.: "Neuronal nicotinic acetylcholine receptors of ganglion cells in the cat retina." Jpn. J. Physiol.45. 491-508 (1995)

  • [文献書誌] Sasaki, T. & Kaneko, A.: "L-glutamate-induced responses in OFF-type bipolar cells of the cat retina." Vision Res.(in press).

  • [文献書誌] Aoki K, Osumi-Yamashita N, Ninomiya Y, & Eto K.: "Differential expression of N-CAM, vimentin and MAPIB during initial pathfinding of olfactory receptor neurons in the mouse embryo." Anat. Embryol.192. 211-220 (1995)

  • [文献書誌] 伊藤嘉邦、倉橋隆、金子章道: "薬物刺激用圧力制御装置" 日本生理学雑誌. 57. 127-134 (1995)

  • [文献書誌] 金子章道: "視覚系のしくみと働き 網膜" Clin. Neurosci.13. 22:1144-24:1146 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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