研究概要 |
1.免疫系の遺伝疾患であるMRL/MpJ-ggld(IgG1欠損)の遺伝分析 本疾患について遺伝分析ならびに原因遺伝子のマッピングを行った。その結果,本遺伝子ggldは,第12染色体のマイクロサテライトマーカーであるD12Mit19との組み換え率が0%であり,Igh-Vとの組み換え率が1.9%であった。このことから,IgG1欠損は免疫グロブリン遺伝子領域のある遺伝子の変異が原因であることが分かった。 2.遺伝性歩行異常を示すマウス系統の遺伝分析および病理組織学的研究 歩行異常を示すYNA系統について遺伝分析を行い,常染色体劣性遺伝であることが分かった。次にこの異常の原因遺伝子の染色体の決定および染色体上での位置決定を行った。その結果,第10染色体にマップされた。この領域は,ヒト第12染色体の長腕に相当しており,神経伝達物質のneurokinin Bが存在することが知られている。今後,ヒト疾患との関連の究明が待たれる。組織学的な研究から,小脳の顆粒層,白質層および分子層の腓薄化が見られた。
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