研究概要 |
平成6年度は,マ-モセットの骨髄抑制モデル作出とマ-モセットおよびカニクイザル血液細胞の抗ヒト白血球膜抗体に対する交叉性について検討し,以下の研究成果および知見を得た。 1.マ-モセットの骨髄抑制モデル作出は,350〜550radのX線全身照射により行った。 (1)照射後の血液細胞数の減少は線量依存的であり,照射後30日以内の回復は,350および450radでは軽度に認められたが,550radでは認められなかった。(2)450radの線量により誘発した好中球減少は,G-CSF(2μg/kg/day)の投与により照射後20日前後から回復および増加が観察された。(3)マ-モセットのX線に対する致死量は,600rad以上と考えられた。 2.マ-モセットおよびカニクイザルの血液細胞と抗ヒト白血球モノクローナル抗体との交叉性をフローサイトメトリーにより検討した。 (1)マ-モセットおよびカニクイザルのリンパ球は,CD2,CD4,CD8,CD16およびCD20の抗ヒト白血球モノクローナル抗体と交叉性が認められたが,マ-モセットとカニクイザルでは,かならずしも各抗体のepitopeは同一ではなかった。また,マ-モセットのCD20陽性細胞の一部は,CD4あるいはCD8陽性細胞に比べ細胞密度の高い性格を有すると考えられた。(2)Epitoope class IIの抗ヒトCD34モノクローナル抗体を用いることにより,マ-モセットおよびカニクイザルの末梢血液中CD34陽性細胞の検出が可能であった。 3.カニクイザルの腸骨からの骨髄生検可能とし,採取した骨髄のCD34陽性細胞を検出した。
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