研究概要 |
(1)実測データとシュミレーションデータの比較-方法の定量化の確立について 本年度はより臨床的な状態に近づけるために抜去歯を特殊なインパルスハンマーにて加振した実測データでは,加振の力は正確に一定でなくても単根歯,複根歯ともに,それぞれに対応する一定の振動パターンを示した。 (2)周波数スペクトルと歯根膜組織像の対比について 季節による歯根膜の変化について,猿を用いたインパルスハンマーによる加振実験では,顕著な季節による変動は認められなかった。振動レスポンスは単根歯では複根歯に比較し振動レスポンスが大であった。また,歯周病のモデルを抜去歯をもちいて作成し検討を行った結果は,歯周病進行に伴って振動レスポンスが減少傾向を示した。 臨床応用の検討について 今年度は,インパルスハンマーの臨床的な使用の可能性を検討するため,加振の力を臨床的な強度にて行った。その結果,ヒト健全歯の振動レスポンスは同一の加振の強弱にかかわらず同一歯ではほぼ同一の振動レスポンスを示した。また一部歯周病の歯に対し検討を行った結果では,モデル実験の場合と同様に振動レスポンスの減少傾向が認められ歯周疾患等の診断への応用の現実性が高まったと考えられる。
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